あの頃は……

ひとつ思い出した事があります。
入社して間もない頃たまたま出た電話でお客様から
「センはやっているか?」と問われとても戸惑いました。
当時はわからない事だらけで「セン」が木の一種だと
いう事も全く知りませんでした。

「栓」センです。センノキはハリギリ(針桐)の別名で
ウコギ科の落葉高木。主に北海道に分布しており、
明治末までは下駄の材料として使われていました。
センノキを表すのは日本独自の用法で、もともとは
タルやビンの口に指しこみ、中身が出ないようにするための
「セン」の意味です。

音符の「全」ゼンには「たもつ、完全に保持する」
という意味があります。木で出来た中身を保つもの、
それが「栓」というわけですね。

古代の字書には「釘なり」とあります。打ちつけて
物が動かないように保つ=くぎ

このように成り立ちを知ると、どうしてこの漢字が
このような意味を持っているのか、深く知る事が出来ます。

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