春と言って真っ先に思い浮かぶのはやはり「桜」ですが
冬から今頃にかけて見頃をむかえる花があります。
木+春 つばきです。「チン」と言う音を持っていますが
「チュン」と言う音もあるそうです。音符が「春シュン」で
この春はもともと「チュン」と読んでいたようです。
日本では「つばき」(ツバキ科の常緑高木)の意味に
用いられますが、もともとは「香椿(チャンチン)」という
センダン科の落葉高木を指します。また太古の昔に
「大椿(タイチン)」と言うたいへん樹齢の永い霊木が
あったとの説があり、そこから転じて長寿のたとえである
「椿寿」と言う言葉が生まれました。
「椿事」と言う言葉があります。不意の出来事や、変わった
出来事を表し、「珍事」とも書き換えられますが、
「椿」=「珍」とするのは日本語独自の用法です。
中国語の「椿」には“事件を数える量詞”の用法がある
そうなのですが、江戸時代にこの表現を誤読して
しまった事から、この言葉が出来たようです。
ちなみに「つばき」は「海石榴」「山茶」とも書きます。
これは知っていないとなかなか読めませんね。